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犬アレルギーは慣れる?犬アレルギーでも飼いやすい犬種を紹介
犬アレルギーである場合、犬を飼うことは難しいと考えるかもしれません。ですが、様々な対策をすることで、できるだけ症状を抑えて、犬と暮らすことが可能です。
この記事では、犬アレルギーの原因と症状、アレルギーを抑える対策について、解説していきます。あわせて犬アレルギーでも飼いやすい犬種をご紹介しますので、参考にしてみてください。
犬アレルギーを治すことは難しい
犬アレルギーを発症したら、完治することは難しいとされています。アレルギーの治療は、症状の軽減を目的とした対処療法が中心です。自分の体質に合った薬剤を処方してもらい、服用することで、症状を和らげる方法になります。
アレルギー症状が出ている間は、薬を服用し続けることが必要です。ですが、病院での服薬治療以外にも、生活環境の見直しと改善を行うことで、かなり症状が緩和される場合があります。そのためには、原因となるアレルゲンを極力排除し、体内にアレルゲンを取り込まないよう、対策することが有効です。
犬アレルギーの原因
犬アレルギーの原因となるのは、唾液、尿、フケの3つです。
唾液
唾液は、犬アレルギーの主要なアレルゲンです。唾液には、「Can f1」と呼ばれるアレルゲン物質が多く含まれています。Can f1は、犬アレルギーであるほとんどの人が反応するアレルゲンです。非常に微細な粒子で、毛づくろいすることで皮膚や被毛に付着します。
尿
尿も唾液と同じように、アレルゲンとなります。尿にはたんぱく質が含まれていますが、このたんぱく質から成るのがアレルゲン物質であるCan f1です。室内に置かれたトイレで尿が乾くと、長時間アレルゲン物質が空気中を浮遊します。
フケ
犬のフケには、アレルゲン物質であるCan f1およびCan f4 が含まれています。空気中に飛散しやすいフケは、粘着性もあるため、床に敷いたカーペットやマット、壁、家具などにも付着しやすいです。
犬アレルギーの症状
犬アレルギーを発症すると、様々な症状が出ます。犬アレルギーが疑われる場合は、初期の段階で、病院を受診しましょう。
咳・鼻水・くしゃみ
犬アレルギーの症状として多いのが、咳や鼻水、くしゃみなどの風邪によく似た症状です。犬を触るだけでなく、犬と同じ空間にいるだけでも症状が見られます。
目のかゆみ・充血
犬アレルギーを発症すると、目のかゆみや充血などの症状も見られます。場合によっては、目が腫れることもあるため注意してください。
じんましん・湿疹
皮膚のかゆみや赤み、腫れを伴う、じんましんや湿疹などの皮膚症状が現れる場合もあります。体の内側の粘膜の部分に症状が発現する場合は、呼吸困難を招く可能性もあるため、要注意です。
喘息
喘息の疾患のある方は、症状が悪化する場合があります。また、もともと喘息でなかったとしても、犬アレルギーが原因で喘息を発症するケースもあります。症状が悪化すると、呼吸困難や嚥下困難、下痢、めまい、嘔吐など、深刻な状態になることもあるため、早めに病院に行き、適切な処置を受けることが大切です。
犬アレルギーなのか確認する方法
犬を迎え入れる際に、あらかじめ犬アレルギーの有無を確認しておくと、安心です。犬アレルギーを確認するための方法として、主に次のような検査があります。
血液検査:RAST(ラスト)検査
RAST(ラスト)検査は、血液からIgEと呼ばれるたんぱく質の一種を検出し、0~6までのレベルで抗体の量を測定し、アレルギーの有無を調べる方法です。ただし、必ずしも抗体の数値とアレルギーの強さは相関しません。
生体検査:ブリックテスト
ブリックテストは、皮膚にアレルゲンを直接接触させて、IgE抗体の有無、皮膚の敏感さ、体全体のアレルギーの強さを測定する方法です。皮膚が赤くなったり、腫れたり、かゆみが出たら、犬アレルギーの可能性があります。RAST(ラスト)検査と違い、小さな子供でも受けられるのが利点です。
犬アレルギーを抑える対策
次に、犬アレルギーを抑えるための具体的な対策について、見ていきましょう。
生活スペースを分ける
犬アレルギーへの最も有効な対処法が、アレルゲンから遠ざかることです。犬と人間の生活スペースを分け、犬と接触する時間を減らすことで、アレルギー症状が出にくくなります。寝ている間のアレルゲンの吸収を防ぐため、寝室に犬を入れない、トイレを生活スペースから離すことで、アレルギー症状を抑えることが可能です。
こまめに手を洗う
犬に触ったり、舐められたりしたあとは、こまめに手を洗うようにしてください。唾液にはアレルゲンが多く含まれているため、手などに付着したアレルゲンを素早く取り除きましょう。フードボウルやおもちゃなどにもアレルゲンが付着しているので、触れたあとは、しっかり手を洗ってください。
ブラッシングやシャンプーをする
ブラッシングの機会を増やすことで、被毛の飛散を防ぐことができ、アレルゲンを吸い込むリスクを減らせます。また、シャンプーは、アレルゲンとなる抜け毛やフケを落とすのに効果的です。ただし、シャンプー嫌いな子にとっては負担になることがあります。
お手入れする際は、直接アレルゲンに触れることになるため、犬アレルギーではない方が行うようにしましょう。
しっかり掃除や換気をする
部屋をこまめに掃除や換気をすることで、部屋にアレルゲンが溜まりにくくなり、アレルギー症状の緩和に繋がります。特に犬の行動範囲には、抜け毛やフケなどが多いです。念入りに掃除をするように心がけましょう。
エアコンのフィルターも自然に抜け毛や汚れを吸い込むので、定期的に掃除するようにしてください。部屋に空気清浄機を稼働させるのもおすすめです。
布製品は定期的に洗濯する
部屋のクッションカバーやマット、カーテンなどの布製品には、アレルゲンが付着しやすいです。定期的に洗濯して、除去するようにしましょう。できるだけ丸洗いできるものを選ぶと、衛生的です。
犬アレルギーでも飼いやすい犬種
抜け毛が少ない犬は、アレルギーの方でも比較的飼いやすいです。ここでは、犬アレルギーでも飼いやすい犬種5種をご紹介します。
トイプードル

体高・体重と平均寿命
体高 | 26~28㎝ |
|---|---|
体重 | 3~4㎏ |
平均寿命 | 12~15歳 |
飼い方
トイプードルは、従順でフレンドリーな性格をしています。賢くて無駄吠えも少ないので、飼いやすいです。人と遊ぶことを好むので、毎日コミュニケーションの時間を取ってあげてください。運動能力が高いので、公園やドッグランなどで存分に運動させる機会を作りましょう。頭が良い分、甘やかすとわがままになることもあるので、きちんとしつけることが大切です。
注意点
抜け毛は少ないですが、伸びた毛が毛玉になりやすいため、毎日のブラッシングと定期的なトリミングが必要です。寒さに弱い犬種なので、冬場は暖房器具などで室内を暖かくしてあげてください。涙やけをしやすいため、目の周りをこまめに拭いて、清潔に保ちましょう。また、骨が細いため、「脱臼」や「骨折」などを起こしやすいです。高所からの飛び降りや滑りやすい床材に注意してください。
トイプードルの子犬を探す
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マルチーズ
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体高・体重と平均寿命
体高 | オス21~25㎝、メス20~23㎝ |
|---|---|
体重 | 2~3㎏ |
平均寿命 | 12~15歳 |
飼い方
マルチーズは、飼い主さんに対して愛情深く、従順です。大人しくて、運動量も少ないので、室内飼いに適しています。気が強い面があり、甘やかすと、要求吠えや噛み癖が出ることがあります。毅然とした態度で接し、わがままを通さずに、しっかりしつけましょう。
注意点
寒さに弱いので、冬場は防寒対策をしてください。絡まりやすい被毛のため、定期的なトリミングが必要です。また、「涙やけ」を起こしやすいので、目の周りをケアしてあげてください。病気の面では、「気管虚脱」になりやすいため、激しい運動は避けましょう。ほかにも、「膝蓋骨脱臼」になりやすいです。歩き方に異変が見られたら、動物病院を受診してください。
マルチーズの子犬を探す
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ヨークシャーテリア
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体高・体重と平均寿命
体高 | 15~18㎝ |
|---|---|
体重 | 1.5~3㎏ |
平均寿命 | 13~16歳 |
飼い方
ヨークシャーテリアは、活発で忠誠心が強く、テリア特有の勇敢な性格をしています。甘やかすと吠え癖が付いてしまうため、子犬のうちからしっかりしつけておくと良いです。活発で運動好きですが、膝や関節が弱いため、必要以上の運動は避けるようにしましょう。
注意点
日常的な被毛のお手入れが欠かせません。こまめなブラッシングと定期的なトリミングを行ってください。暑さに弱いため、エアコンを使って、適温を保つようにしましょう。病気の面では、「膝蓋骨脱臼」になりやすいため、高所からの飛び降りを防止し、フローリングにはマットを引くなど対策すると良いです。また、「気管虚脱」を起こしやすいため、咳の症状が見られたら、獣医師さんの診察を受けてください。ほかにも「尿石症」になりやすいので、普段から尿の状態をチェックするようにしましょう。
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シーズー
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体高・体重と平均寿命
体高 | 20~28㎝ |
|---|---|
体重 | 4~7㎏ |
平均寿命 | 10~16歳 |
飼い方
シーズーは、温厚で大人しく、人懐っこい性格です。小さい子供や高齢者がいる家庭にも向いています。ひとりで遊ぶことも好きなので、留守番を苦にしません。賢く物覚えが良いので、比較的しつけやすいです。頑固な一面が出ることがありますが、ダメなことはダメとはっきり伝えるようにしてください。毎日の散歩や室内遊びで、運動させることも大切です。
注意点
長毛で毛玉が出来やすいため、毎日のブラッシングは必須です。本来トリミングは不要な犬種ですが、フルコートにせずに短くカットすれば、お手入れが楽になります。涙が出やすいため、目元のお手入れが必要です。垂れ耳で蒸れやすく、皮脂が多いので、定期的に耳掃除をしてあげましょう。高温多湿に弱いため、夏場はエアコンで温湿度管理をしてください。また、皮膚が皮脂で覆われているため、べたつきやすく、「皮膚炎」になりやすいです。定期的なシャンプーで皮膚を清潔に保つようにしましょう。
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ミニチュアシュナウザー
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体高・体重と平均寿命
体高 | 30~36㎝ |
|---|---|
体重 | 5.4~9.1㎏ |
平均寿命 | 12~15歳 |
飼い方
ミニチュアシュナウザーは、活発で友好的な性格です。甘えん坊ですが、忠誠心が強く、賢くしつけやすい犬種です。臆病な面があるため、見知らぬ人や動物に対して、警戒心から威嚇することがあります。問題行動を起こさないようにしっかりしつけてください。
注意点
抜け毛は少ないですが、伸びた毛をカットする必要があります。病気の面では、「糖尿病」や「胆石症」になりやすいため、高脂肪・高タンパクの食事を避け、適度に運動させるなど、生活習慣に気を配ってください。また、「尿路結石」になりやすいため、尿の状態に異変があれば、動物病院を受診しましょう。そのほかにも、「心臓病」や「遺伝性疾患」になりやすいです。定期的な検査で異常がないかチェックしてください。
ミニチュアシュナウザーの子犬を探す
関連記事:ミニチュアシュナウザーは飼いやすい?性格、特徴、飼い方としつけのポイントについて紹介します
まとめ
犬アレルギーは一度発症すると、完治は難しい病気です。犬の唾液、尿、フケに含まれるアレルゲン物質が原因で起こり、咳、鼻水やくしゃみ、目のかゆみや充血、じんましんや湿疹、喘息などの症状が現れます。症状が重くなると、嘔吐や呼吸障害などが起こり、犬と一緒に生活するのは困難になる場合があります。不安な方は、犬を飼育する前に検査を受けて、アレルギーの有無を確かめておくと安心です。
また、アレルギーを発症したとしても、症状が軽度であれば、対策をすることで犬を飼うことは可能です。その際、できるだけアレルゲンに触れない、除去することが大切です。部屋の掃除や換気をして綺麗に保つ、犬の被毛のお手入れをこまめにするなど、できる対策を実践してみてください。
犬も人間も安心して生活できるように、アレルギーに対する知識をしっかり持っておきましょう。


犬の家&猫の里 編集部
犬の家&猫の里は、ワンちゃんネコちゃん専門のペットショップです。
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