犬の祖先はオオカミといわれていますよね。
近年、DNAの分析からも遺伝的にオオカミに近い犬種が明らかになってきています。

この記事では、犬のルーツであるオオカミに近い犬種10選をご紹介します。

オオカミに近い・似ている犬種はどんな種類？

アメリカの研究チームによる犬種ごとのDNAの分析結果から、犬が持つ遺伝的な要素は、次の４つに分類できることが分かりました。
犬種によりその比率は異なるものの、どの犬種もこの4種のＤＮＡを持っています。
特にウルフライクの割合が高いほど、オオカミに近い犬種とされています。

WOLFLIKE（ウルフライク）

ウルフライクは、古くから存在しており、オオカミに最も高い類似性を持つＤＮＡです。
柴犬は、このウルフライクの遺伝子を多く持ち合わせているとされています。

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HARDERS（ハーダー）

ハーダーは群れをなす習性がある、牧羊犬タイプの犬種に多いＤＮＡです。
ボーダーコリーなどの犬種に多く見られます。

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HUNTERS（ハンター）

ハンターは、その名が表すように、狩りをする特性を持ち、獲物に向かって瞬時に動ける猟犬タイプに多いＤＮＡです。
ビーグルといったウサギ狩りの猟犬として活躍してきた犬種や、イングリッシュ・ポインターなどの牧畜犬や猟犬の素質を持つ犬種が持つとされています。

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MASTIFFLIKE（マスティフライク）

マスティフライクは、屈強な体と強い闘争心を持つ犬種が持っているＤＮＡです。
ドーベルマンやジャーマンシェパードといった警察犬や軍用犬として有名な犬種が多く持っているとされています。

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WOLFLIKE（ウルフライク）の犬種10選

オオカミに近い原種グループである、ウルフライクの主な犬種10選をご紹介します。

柴犬

柴犬はウルフライクの割合が高く、オオカミに最も近い犬種です。
古来より猟犬として、日本人と共に生きてきました。
現在では、柴犬は日本で一番多く飼われており、私たちにとって馴染みがあります。
柴犬は飼い主さんに従順な性格で、献身的な子が多いです。
一方で、飼い主さんや家族には愛情深く接しますが、それ以外の人や犬には強い警戒心を示します。

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秋田犬

秋田犬は、日本犬の中でも3番目に大きな犬種で、1931年に国の天然記念物に指定されました。
骨太で均整の取れたバランスの良い体格とふさふさの巻尾が特徴です。
クマ猟に用いられたマタギ犬が祖先とされています。
もともとはマタギ犬に土佐やグレートデーンなどを交配して大型化された秋田犬ですが、闘犬禁止令がでてからは、狩猟犬として活躍していました。
秋田犬は、「忠犬ハチ公」でも有名ですが、飼い主さんへの忠誠心の強さと愛情深さが特徴です。
賢く警戒心が強いため、番犬しても適しています。

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チャウチャウ

チャウチャウは、オオカミに近い犬種ですが、ライオンに似た顔立ちをしています。
中国が原産で、約3000年も前からソリ引きや狩猟犬として活躍していました。
青みがかった黒い舌が特徴で、あまり活発に動くタイプではありません。
独立心が強く頑固な性格ですが、飼い主さんには忠実です。
見た目はおっとりしていますが、神経質で他人に対して警戒心を抱きます。

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シベリアンハスキー

シベリアンハスキーは、オオカミによく似た容姿の犬種です。オオカミ同様、群れで行動することを好み、孤独でいることを嫌います。
シベリア北東部に住むチュクチ族がソリを引く犬として飼育し、改良されてきました。
北極点や南極点探索でも同行し、活躍しました。
怖そうな見た目をしていますが、陽気で人懐っこい性格です。
エネルギッシュで運動量が豊富なので、朝夕の散歩時間をしっかり確保しなければなりません。
寒さには強いですが、暑さには弱いため、夏場は特に対策が必要です。

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バセンジー

バセンジーは、古代エジプトの遺跡にもその姿が描かれているほど、古い歴史を持つ犬種です。
中央アフリカ原産で、１９世紀以降、イギリスで広く知られるようになりました。
あまり吠えることがなく、嬉しいときはヨーデルのような独特な声を出します。
大人しくて賢いですが、初対面の人に対しては強い警戒心を表します。
マイペースで独立心旺盛な性格のため、しつけが難しい面があり、初心者には不向きだとされています。

アラスカンマラミュート

アラスカンマラミュートは、シベリアンハスキーよりも、一回り大きい犬種です。アラスカ北西部のイヌイット族系のマラミュート族が飼育していました。
北極圏ではソリ犬として、古くから重宝されていた働き者です。
ルーツはあまり知られていませんが、2000～3000年前から存在していたとされています。
温厚で優しさと愛情溢れる性格で、飼い主さんに献身的で、社交性が高いです。
見た目はシベリアンハスキーに似ていますが、目の色が彼らよりも暗めです。
大きく頑丈な体に長い被毛、大きな頭が特徴的です。

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アフガン・ハウンド

アフガン・ハウンドは、アフガニスタンが原産の古くからいる犬種で、見つけた獲物を俊足で狩る狩猟犬として、山岳地方で活躍していました。
独立心があり、自己完結できる仕事を担ってきたため、人の指示に従わないところがあり、しつけにくいといわれることがあります。
生粋の狩猟犬なので、運動欲求が高いです。そのため、思い切り走れるよう、ドッグランなどに定期的に連れて行くと良いでしょう。
高温多湿の日本の環境下では、被毛が蒸れて、皮膚トラブルを生じやすいです。

サルーキ

サルーキは、紀元前7000年の古代遺跡の彫刻にも描かれていた狩猟犬の一種です。
飼育犬の中では、最も古くから存在していた純血種として知られています。大きな瞳と、凛とした雰囲気はオオカミを彷彿させます。
美しい容姿とスピード力、忍耐力に優れ、遊牧民ともに中東全域を旅した歴史があり、中東でよく見られる犬種です。
視覚に優れたサイトハウンドとしても知られ、全犬種の中でも最速の77㎞の最高時速を誇ります。

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サモエド

サモエドは、犬の祖先であるオオカミに遺伝的に最も近い「原始的な犬」のグループに属する犬種で、別名を「シベリアン・スピッツ」ともいいます。
性質や体型、被毛からもスピッツらしさを受け継いでおり、体高より体長がやや長く、全身に純白の毛をまとった大型犬です。立ち耳で緩く巻いた尻尾には飾り毛があります。
アーモンド型の瞳と、上向きにカーブした口角は、「サモエド・スマイル」とも呼ばれています。

もともとは現在のロシアのシベリア地方、ツンドラにおける遊牧民族であった「サモエド族」と共に暮らしていた土着犬です。
トナカイの放牧やクマ狩りのサポート、オオカミなどからの護衛、荷物やソリを引く使役犬として、働いてきました。

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シャー・ペイ

シャー・ペイは、たくさんの深いしわとカバのような口が特徴的な犬種です。
原産地は中国の広東省、「チャイニーズ・シャー・ペイ」とも呼ばれており、古くから番犬や狩猟犬として活躍していた使役犬です。
冷静沈着、独立心が強い性格で、人に懐きにくいところがあります。
ですが、飼い主さんやその家族に対しては、忠実で愛情深いです。
しわに皮脂や汚れが溜まると、皮膚疾患をおこしやすくなるため、手入れが欠かせません。寒さに弱いため、防寒対策が必要です。

まとめ

オオカミに近い犬種は大きく4つに分類されます。
最もオオカミに近いのが、ウルフライクと呼ばれる種類です。
ウルフライクには、柴犬や秋田犬などの身近な日本犬も含まれています。

どの犬種も古くから使役犬として欠かせない存在で、人間と共に暮らしてきました。
きりりとした見た目や気まぐれで野性味が残る性格からも、オオカミの血筋が伺えます。

犬種によりルーツはそれぞれ異なりますが、元を辿ればみんなオオカミだということです。

どの犬種も少なからず、オオカミの特徴や性質を持っていると思うと、興味深いですね。
長い歴史で、生態が変化していく中でも、オオカミのＤＮＡはしっかり受け継がれてきたということがいえるでしょう。