スコティッシュフォールドの歴史

スコティッシュフォールドはその名の通り、スコットランドが原産の猫です。

スコットランドの農村にいた折れ耳のメス猫が生んだ子猫の中に、同じく耳の折れた個体がいたことから、猫種として確立すべく、繁殖が始まりました。

しかし、繁殖を繰り返していくうちに骨格や関節などに異常が見つかる個体が増えたことから、イギリスでは公認の繁殖を中止しました。
その後アメリカで遺伝性疾患のリスクを抑える目的でアメリカンショートヘアやブリティッシュショートヘアなどさまざまな猫と交配させることで猫種として確立されました。　

外見の特徴

ここからは、スコティッシュフォールドの見た目の特徴について詳しく紹介します。まるいフォルムとやわらかな印象が多くの人を惹きつける理由のひとつです。

毛色

スコティッシュフォールドは、毛色の種類が非常に豊富な猫種です。
代表的な色としては、レッド、ブルー、クリーム、ブラック、ホワイト、シルバー、チョコレートなどがあり、ほぼすべての毛色が認められています。

また、模様のバリエーションも多く、タビー（縞模様）、キャリコ（三毛）、バイカラー（2色）、ポイント（耳やしっぽが濃い色）など、個性豊かなパターンが見られます。
毛の長さも「ショートヘア」と「ロングヘア」があり、短毛の子はなめらかで密な手触り、長毛の子はふんわりとしたボリューム感が魅力です。

それぞれの子によって印象が大きく変わるため、ぜひ自分の好みに合うカラーや模様を探してみてください。

目の色

スコティッシュフォールドの目はまんまるで大きく、優しい表情をつくる最大の特徴です。
瞳の色も毛色と同じくバリエーションが多く、銅色（カッパー）やゴールド、グリーン、ブルーなどが見られます。
中でも、銅色（カッパー）やオレンジがかった瞳を持つ子が多く、穏やかな毛色と組み合わさることで、より優しい印象を与えてくれます。

毛色と目の色の組み合わせには個体差があり、光の当たり方によっても瞳の色が変化して見えるのも魅力のひとつです。
見た目の美しさだけでなく、その表情の豊かさに惹かれる飼い主さんも多い猫種です。

オスとメスの違い

「オスとメスで性格や体のつくりは違うの？」と気になる方も多いでしょう。あらかじめ傾向を知っておくと、飼い主さんに合った子を選びやすくなります。

性格の違い

オス

オスのスコティッシュフォールドは、甘えん坊で人懐っこい子が多いです。
飼い主さんのそばにいたがり、スリスリと甘えてくる姿に癒やされるでしょう。

子猫のころはやんちゃで遊び好きな一面もありますが、成長とともに落ち着いていきます。気持ちを素直に表すため、家族との絆を築きやすいタイプです。

メス

メスは比較的おだやかで、自分のペースを大切にする子が多いです。
静かな場所を好み、静かに見守ってくれる性格の子も少なくありません。

オスに比べると控えめでしっかり者の印象ですが、信頼した相手には深く心を開きます。はじめて猫を飼う飼い主さんにも向いています。

体格の違い

オス

オスは骨格がしっかりしていて、体つきもやや大きめです。
成猫時の体重はおよそ4〜6kg前後です。筋肉がつきやすく、丸みのある顔立ちとどっしりした体型が特徴です。

メス

メスはオスよりもやや小柄で、成猫時の体重は3〜5kgほどが一般的です。
顔立ちや体のラインがやわらかく、上品で優しい印象を与えます。ふんわりした毛並みと相まって、ぬいぐるみのような愛らしさがあります。

育てやすさの違い

オス

オスは感情表現が豊かで、家族に対して強い愛情を見せます。
甘えたい気持ちが強く、留守番が長いと寂しがることもあるため、スキンシップの時間を大切にしましょう。

去勢手術をしておくと、マーキングなどの行動が落ち着き、性格もより安定しやすくなります。

メス

メスは落ち着きがあり、マイペースに暮らすことが得意です。
発情期には情緒が不安定になることもありますが、避妊手術によって性格が安定し、病気の予防にもつながります。

とくにスコティッシュフォールドは遺伝的に関節疾患（骨軟骨異形成症）を起こしやすいため、体重管理と早めの健康チェックを心がけましょう。

どちらを選ぶべき？

スコティッシュフォールドは、オス・メスどちらも穏やかで人に寄り添う性格の猫種です。

• ・甘えん坊で一緒に過ごす時間をたくさんもちたいならオス
• ・落ち着いた性格でマイペースに暮らしたいならメス
  

と考えると選びやすいでしょう。
ただし、猫の性格は個体差がとても大きいものです。

実際に会って、性格や相性を感じ取ることがいちばん大切です。どちらを選んでも、日々のケアとたっぷりの愛情があれば、家族の大切な一員として長く寄り添ってくれます。

スコティッシュフォールドは多頭飼いに向いている？

「もう一匹お迎えしたいけれど、仲良くできるかな？」と考える飼い主さんも多いでしょう。

ここでは、スコティッシュフォールドが多頭飼いに向いているか、そして気をつけたいポイントを紹介します。

スコティッシュフォールドは多頭飼いに向いている猫種？

スコティッシュフォールドはおだやかで協調性のある子が多く、比較的多頭飼いに向いている猫種といえます。
仲良く遊んだり、同じ空間で静かに過ごしたりと、性格が合えば、良い関係を築くことができます。

ただし、個体によってはマイペースで静かな時間を好む子もいます。新しい猫を迎えるときは、いきなり同じ部屋で過ごさせず、においや姿に少しずつ慣れさせることが大切です。

相性のよい猫種は？

スコティッシュフォールドはおだやかで争いを好まないため、同じように穏やかな性格の猫と相性が良い傾向があります。たとえば次のような猫種です。

• ブリティッシュショートヘア
• ラガマフィン
• ペルシャ
• ラグドール
• エキゾチックショートヘア
  
  

活動量や性格が似ているため、無理なく同じ空間で過ごしやすいです。
一方、活発で遊び好きな猫（例：ベンガルやアビシニアンなど）とは、性格のテンポが合わないこともあるため、個体差をよく観察して判断しましょう。

多頭飼いで気をつけたいこと

個別スペースをつくる
寝る場所やトイレ、食事スペースはそれぞれに分けて、落ち着ける“自分の場所”を確保してあげましょう。特にトイレは頭数＋1個が理想です。

ごはんは別々に
同じ時間に並んで食べると、食べ物を取り合ってしまうことがあります。ケージ内や部屋を分けて与えると安心です。

初対面はゆっくりと
いきなり対面させず、まずはドア越し・におい交換から始め、少しずつ距離を縮めていくのがコツです。

平等に接する
どちらかを優先しすぎると、ヤキモチやストレスの原因になります。遊ぶ時間や声かけはできるだけ公平にしましょう。

健康と安全への配慮
スコティッシュフォールドは関節の病気（骨軟骨異形成症）を持つことがあるため、激しい追いかけっこや高い場所へのジャンプは控えめにしましょう。

すべり止めマットを敷いて足への負担を減らす工夫も大切です。

性格・年齢の組み合わせを考える
先住猫がシニアなら落ち着いた性格の子を、若い猫なら遊び好きな子を選ぶなど、生活リズムを合わせることでトラブルを減らせます。

去勢・避妊の検討
発情期のストレスやケンカを減らし、子宮や前立腺の病気を防ぐためにも、手術を検討する価値があります。時期や方法は獣医さんに相談しましょう。

犬や小さな子どもと仲良く暮らすポイント

犬と仲良くしてもらうコツ

先輩犬と仲良く過ごしてもらうためのポイントをお伝えします。

最初は距離をとって慣らす
いきなり同じ空間に入れるのではなく、まずはドア越しやケージ越しにおたがいのにおいを感じさせましょう。
犬が落ち着いているときに短い時間だけ対面させ、少しずつ慣らしていくのが安心です。
焦らず時間をかけることで、猫も「この子は怖くない」と感じやすくなります。

猫の逃げ場所を用意する
犬が近づいてきたときにすぐ逃げられるよう、棚の上やキャットタワーなど高い場所を確保しておきましょう。
自分のペースで距離を取れる環境があると、スコティッシュフォールドは安心して犬と共存できます。

犬の性格にも配慮する
おだやかで落ち着いた犬種なら相性が良いですが、活発すぎる犬だと猫がストレスを感じることもあります。
初対面のときは犬の動きをコントロールできるようにリードをつけ、ゆっくり距離を縮めていきましょう。

におい交換で仲良く
おたがいの寝具やタオルを交換してにおいに慣れさせるのも効果的です。
安心できるにおいとして認識できると、猫の警戒心がやわらぎます。

小さな子どもと仲良くしてもらうコツ

子どもに接し方を教える
スコティッシュフォールドは人なつっこい反面、乱暴に扱われると怖がってしまいます。
小さなお子さまには「優しくなでる」「大きな声を出さない」「追いかけない」など、基本的なルールを教えてあげましょう。
これだけでも猫の安心感がぐっと増します。

大人がそばで見守る
子どもと猫が一緒にいるときは、必ず大人が見守りましょう。
子どもが急に抱っこしようとしたり、猫がびっくりして逃げようとしたりする場面で、すぐにサポートできる環境が理想です。

猫の休憩スペースをつくる
にぎやかな時間のあとには、猫が静かに休める場所を確保しましょう。
お気に入りのベッドやキャットハウスなど、誰にも邪魔されない安心できる空間があると、心のバランスを保ちやすくなります。

スコティッシュフォールドが安心して過ごせるおうちづくり

ここでは、家具の配置や安全対策、快適な温湿度の保ち方についてご紹介します。

ケガを防ぐお部屋づくりの工夫

スコティッシュフォールドは、関節の病気（骨軟骨異形成症）になりやすい猫種です。
そのため、高い場所へのジャンプや急な動きはできるだけ避けたほうが安心です。

キャットタワーを選ぶときは、段差が低く安定感のあるタイプを選びましょう。
ソファや棚の上に登る場合も、踏み台やスロープを置いてあげると足腰への負担を減らせます。
また、家具のすき間に入り込んで抜け出せなくなることがあるため、クッションなどでふさいでおくと安全です。

すべりにくい床で関節を守る

フローリングはすべりやすく、関節や腰に負担をかけることがあります。
特に子猫やシニアのスコティッシュフォールドは、足をすべらせてケガをすることもあるので注意が必要です。

すべり止め効果のあるマットややわらかいカーペットを敷いてあげると安心です。
走り回るスペースがある場合は、家具の角にクッションをつけるなどの対策もしておきましょう。

快適な温湿度を保つ工夫

スコティッシュフォールドは被毛が密で、暑さにも寒さにも弱い面があります。
室内の温度と湿度を整えてあげることが、健康を守るポイントです。

• 冬の過ごし方
  室温は20〜23℃を目安に保ち、冷たい床や窓際は避けてベッドを置きましょう。
  加湿器で湿度50〜60％を維持すると、乾燥による皮膚トラブルや呼吸器の負担を防げます。
  
  
• 夏の過ごし方
  室温が26℃を超えるようであればエアコンを使って涼しい環境を整えます。
  風が直接当たらない位置にベッドを置き、ひんやりマットや風通しのよい日陰を用意してあげましょう。
  また、水皿を数カ所に置いて、いつでも水分補給ができるようにすると安心です。
  

スコティッシュフォールドにトリミングは必要？お手入れのポイントと費用の目安

ここからはスコティッシュフォールドの被毛をきれいに保つために知っておくべきことについてお伝えしていきます。

ふわふわの毛並みを保つために知っておきたいこと

短毛の子もいれば、長毛タイプの「ロングヘア（またはロングヘアード・スコティッシュフォールド）」もいて、毛の長さによってお手入れの仕方が少し異なります。

抜け毛は季節によって増減があり、とくに春と秋の換毛期にはたくさん抜け落ちることもあります。

放っておくと毛玉や皮膚トラブルの原因になるため、定期的なお手入れが欠かせません。

スコティッシュフォールドの毛は定期的に整えるべき？

スコティッシュフォールドの被毛は「ダブルコート」と呼ばれる二重構造になっており、ふわっとしたやわらかい毛が特徴です。

短毛の子でも密度が高く、長毛タイプは特に毛玉ができやすい傾向があります。

ブラッシングを怠ると毛の中に湿気がこもり、皮膚炎やノミ・ダニの原因にもなります。

また、首まわりやお尻まわりの毛が長くなると汚れがつきやすく、衛生面でも注意が必要です。

基本的には自宅でのブラッシングを中心に、必要に応じてサロンで部分的なカットをお願いすると良いでしょう。

お手入れの頻度はどのくらい？

• ・ブラッシング（短毛）：週2〜3回
• ・ブラッシング（長毛）：毎日〜2日に1回
• ・シャンプー：月1回ほどが目安
• ・部分カット（お尻まわり・足裏など）：1〜2か月に1回
  
  

ブラッシングでは、耳のうしろや脇の下、しっぽの付け根などが特に絡まりやすい部分です。優しく毛をすくようにブラシをかけ、毛玉を作らないことが大切です。

プロのトリミングやシャンプーにかかる費用の目安

猫は犬ほど頻繁にトリミングを必要としませんが、長毛のスコティッシュフォールドではサロンを利用することもあります。

地域やお店によって料金は異なりますが、一般的な目安は次のとおりです。

毛玉取りやデザインカットなどを希望する場合は、追加料金がかかることもあります。事前に料金や施術内容を確認しておくと安心です。

お手入れで気をつけたいこと

スコティッシュフォールドはおだやかでマイペースな性格ですが、長時間の施術にはストレスを感じることがあります。

初めてサロンを利用するときは短時間のコースから慣らし、静かで落ち着ける環境を選びましょう。

また、ブラッシングを怠ると毛玉ができてしまい、毛を無理に引っ張ることで皮膚に炎症が起きることもあります。

日ごろから少しずつお手入れをしてあげることで、美しい毛並みと健康な肌を保てます。

スコティッシュフォールドは、ていねいなブラッシングと清潔な環境があれば、トリミングに頻繁に通う必要はありません。

無理のない範囲でお手入れを続けてあげることが、快適で幸せな毎日につながります。

シャンプー頻度と快適に洗うためのコツ

美しい被毛と健康な皮膚を保つためには、定期的なシャンプーが大切です。
ただし、猫は犬よりも皮脂バランスが繊細で、自分で毛づくろいをする習性があるため、洗いすぎは逆効果になることもあります。
ここでは、スコティッシュフォールドに合ったシャンプーの頻度や、優しく洗うためのポイントをご紹介します。

シャンプーはどのくらいの頻度がベスト？

スコティッシュフォールドは基本的に室内で過ごすことが多く、皮膚や被毛が大きく汚れることはあまりありません。
そのため、シャンプーの目安は1〜2か月に1回程度で十分です。

毛づくろいの習慣があるため、必要以上に洗うと皮脂を落としすぎて乾燥やフケの原因になります。
抜け毛が多くなる換毛期（春・秋）や、汚れ・においが気になるときだけシャンプーを取り入れるのがおすすめです。
普段はブラッシングや濡れタオルでの拭き取りで清潔を保てます。

肌に優しいシャンプーを選ぶコツ

猫の皮膚は人よりも薄く、刺激に弱い性質があります。
スコティッシュフォールドには、低刺激・無香料・猫専用のシャンプーを使うのが安心です。

長毛の子は毛のもつれを防ぐために、保湿成分入りのシャンプーやリンスインタイプもおすすめです。
人工香料が強いものや犬用シャンプーは刺激が強く、かゆみや乾燥を招くことがあるため避けましょう。

スコティッシュフォールドを洗うときの手順と注意点

1. ブラッシング（事前ケア）
   洗う前にブラシで毛玉や抜け毛を取り除きます。毛玉がある状態で濡らすと、さらに固まってしまうことがあります。
   
   
2. ぬるま湯での予洗い
   お湯の温度は35〜37℃程度が目安。ぬるめのお湯で体全体を優しく濡らします。顔まわりは濡れタオルで拭く程度にとどめると安心です。
   
   
3. 泡立ててから優しく洗う
   シャンプーは手のひらでよく泡立ててから使用します。背中からしっぽにかけて撫でるように洗いましょう。原液を皮膚に直接つけるのは避けてください。
   
   
4. しっかりすすぐ
   シャンプー成分が皮膚に残ると炎症やかゆみの原因になります。ぬめりが完全になくなるまで、たっぷりのぬるま湯ですすぎましょう。
   
   

乾かし方のコツ

タオルでしっかり水気を取ったあと、ドライヤーは低温モードで風を当てるのが基本です。
スコティッシュフォールドは耳が折れている子も多く、耳の中に水が入ると外耳炎を起こすことがあるため、耳まわりは特に注意しましょう。

ドライヤーの音が苦手な場合は、静音タイプを使ったり、時間を分けて少しずつ乾かすのがおすすめです。
生乾きは皮膚トラブルの原因になるため、根元までしっかり乾かしてあげましょう。

スコティッシュフォールドに長く健康に生きてもらうポイント

大切な家族の一員であるスコティッシュフォールドには、できるだけ長く元気にそばにいてほしいものですよね。ここでは、この猫種が健康に過ごすためのポイントを紹介します。

スコティッシュフォールドの平均寿命は12〜15年

スコティッシュフォールドの平均寿命は12〜15年ほどといわれています。
猫全体の平均寿命とほぼ同じか、やや短めです。関節や骨の病気が出やすい猫種のため、日ごろから体に負担をかけない環境づくりが大切です。
適度な運動とバランスのよい食事、定期的な健康チェックを続けることで、寿命を延ばすことが期待できます。

スコティッシュフォールドがかかりやすい病気

スコティッシュフォールドは遺伝的にいくつか注意が必要な病気があります。早期発見・早期対策が健康を守るポイントです。

骨軟骨異形成症（こつなんこついけいせいしょう）
スコティッシュフォールド特有の遺伝性の関節疾患です。
足やしっぽの関節が変形し、歩き方がぎこちなくなったり、痛みが出たりします。
高い場所の上り下りを減らし、やわらかいマットを敷くなど、関節への負担を減らす工夫が効果的です。症状が見られたら、早めに獣医さんに相談しましょう。

肥満
運動量が少なめな傾向があるため、カロリー過多になると肥満に陥りやすい猫種です。
肥満は糖尿病や関節への負担の原因になるので、フードの量を管理し、適度な遊びで運動を促しましょう。

心臓病（肥大型心筋症）
中年期以降に多く見られる病気で、呼吸が速い・疲れやすいなどの症状が出ることがあります。
定期的な健康診断や心音チェックで早期発見を心がけましょう。

歯周病
年齢とともに歯石がつきやすく、歯ぐきの炎症や口臭の原因になります。
歯ブラシやデンタルシートを使って、週に数回お口のケアをしてあげると予防につながります。

日常でできる健康管理のポイント

• ・定期的な健康診断を受ける：年1〜2回の受診で早期発見を心がけましょう。
• ・食事管理を徹底する：高カロリーなおやつを控え、年齢や体重に合ったフードを選びます。
• ・快適な住環境を整える：すべりにくい床や段差の少ない部屋づくりで、関節への負担を減らします。
• ・ストレスをためない：静かで落ち着ける場所を用意し、急な環境変化を避けましょう。
  
  

スコティッシュフォールドは穏やかで人懐っこい性格の猫ですが、体はとても繊細です。
日々の小さな変化を見逃さず、無理のない暮らしを整えてあげることが、長く健康に過ごすためのいちばんの近道です。

ワクチン接種と費用の目安について

ここでは、スコティッシュフォールドのワクチン接種のタイミングやおおよその費用について整理しました。健康を守るためにも、定期的な予防とチェックが欠かせません。

ワクチン接種のスケジュールとおおよその費用

子猫の時期（生後2〜4か月頃）
この時期に 2〜3回の混合ワクチン接種を行います。
ワクチンには「3種混合」「5種混合」などがあり、猫ウイルス性鼻気管炎・カリシウイルス感染症・猫汎白血球減少症などの感染症を防ぐことができます。
1回あたりの費用は4,000円〜7,000円程度が一般的です。

成猫になってから（年1回）
免疫を維持するため、1年に1回の追加接種が推奨されています。
費用の目安は 4,000円〜8,000円程度 です。
完全室内飼いでも、人の服や靴などを介してウイルスが入ることがあるため、定期的な接種を続けましょう。

猫白血病ウイルス（FeLV）・猫エイズ（FIV）の追加ワクチン
外に出る猫や多頭飼いの家庭では、猫白血病や猫エイズの予防接種も検討します。
追加ワクチンの費用は 1回あたり4,000円〜6,000円程度 です。
生活環境に応じて、獣医さんと相談しながらスケジュールを決めましょう。

ノミ・ダニ・寄生虫の予防と費用

スコティッシュフォールドは室内で過ごすことが多いですが、窓やベランダからの侵入、あるいはほかのペットや人を介して寄生虫が持ち込まれることもあります。
とくにノミ・ダニや内部寄生虫（回虫・条虫など）の予防は年間を通して大切です。

季節や地域によって予防期間は異なりますが、春〜秋は特にリスクが高まります。定期的なケアで快適に過ごせる環境を守りましょう。

健康診断の重要性と費用

スコティッシュフォールドは関節や心臓の病気、肥満などのリスクが高い猫種です。これらを早期に見つけるためには、年1〜2回の健康診断が効果的です。

とくに7歳以上のシニア期は、関節疾患や心臓病などの症状が出やすくなるため、年2回の健診を受けると安心です。
定期的な予防と健診で、スコティッシュフォールドの健康寿命をしっかり守っていきましょう。

ペット保険は必要？加入の利点と選ぶときのポイント

ここでは、スコティッシュフォールドにペット保険が必要な理由や、加入することで得られるメリット、費用の目安、選ぶ際のポイントをわかりやすく解説します。

ペット保険に入るとどんなメリットがある？

スコティッシュフォールドは穏やかで飼いやすい猫種ですが、遺伝的に骨や関節のトラブルが起こりやすいことが知られています。

代表的なのが「骨軟骨異形成症（こつなんこついけいせいしょう）」で、足やしっぽの関節が変形し、痛みや歩行困難を引き起こすことがあります。

また、肥大型心筋症（ひだいがたしんきんしょう）などの心臓病や、腎臓病、尿路結石といったシニア期に多い疾患にも注意が必要です。

これらの治療は長期の通院や検査、投薬が必要になることもあり、1回の診察で数千円、継続治療では年間10万円を超えることも珍しくありません。

ペット保険に加入していれば、これらの医療費の負担を大きく減らせます。
最近は、通院や健康診断、予防医療までサポートするプランもあり、病気の早期発見・早期治療にも役立ちます。

保険料の目安は？

スコティッシュフォールドの保険料は、補償内容や年齢によって異なりますが、一般的な目安は以下のとおりです。

• ・入院や手術を中心にカバーする基本プラン：月1,000円〜2,000円程度
• ・通院や慢性疾患まで幅広く対応するプラン：月2,500円〜4,500円程度
  

子猫のうちから加入しておくと、持病が発覚してからでは加入できないケースを避けられます。
また、若いうちに加入することで、将来的な保険料上昇もゆるやかに抑えられる傾向があります。

保険を選ぶときに見るべきポイント

スコティッシュフォールドは、関節や心臓、腎臓などの病気が多いため、保険を選ぶときには以下の点をチェックしましょう。

• ・関節疾患（骨軟骨異形成症など）が補償対象に含まれているか
• ・慢性疾患や長期治療にも対応しているか
• ・高齢になっても継続できる「終身型」かどうか
• ・通院補償の有無や、保険金請求のしやすさ
  
  

猫は病気を隠す傾向があるため、気づいたときには治療が長引くケースもあります。
そのため、通院補償や慢性疾患対応のプランを選んでおくと安心です。

ペット保険は、もしものときの経済的な負担を軽くし、スコティッシュフォールドが安心して暮らせる環境を守るための備えです。
飼い主さんのライフスタイルや猫の年齢に合ったプランを選び、長く健やかに寄り添える生活を目指しましょう。

まとめ

スコティッシュフォールドは、スコットランドで誕生した折れ耳が特徴の猫です。

丸い顔とふわふわの毛並み、大きく優しい瞳が魅力で、毛色や模様は多彩です。性格は穏やかで人なつっこく、オスは甘えん坊、メスは落ちついている傾向があります。

関節への負担を減らすため、段差の少ない環境やすべり止めマットを整えることが大切です。お手入れは定期的なブラッシングと、1～2か月に1回のシャンプーが目安です。

平均寿命は12〜15年で、関節疾患や心臓病に注意が必要です。ワクチンや定期健診、保険加入で健康を守り、長く安心して暮らせる環境を整えましょう。